来月の今頃は「きみを見つけた、スターゲイザー」

こんにちは。

あっという間に、6月になりそうです。

6月といえば、ちいさな雑貨ギャラリー プラムツリー 様の1周年記念に『ななついろ洋品店』個展をいたします。6月はこちらにかかりきりそうな予感。

関東では、もしかしたら最初で最後かもしれない個展です。どうかよろしくお願い致します。個展にまつわるお話をしたためましたので、ぜひご覧下さい。





『きみを見つけた、スターゲイザー』

「たくさん」の中から、自分だけの大切なものを見つけ出すのは難しい。

朝が来て。
目を覚まして。
蛇口をひねり、水を受けて顔を洗う。
歯を磨き、鏡に映る目尻のシワにショックを受ける。
食パンにバターを塗り、トースターに入れる。
ただ、流れる画一的なテレビは、ただの見易い時計代わり。

誰かが決めた「大切」をたくさん流している。

「大切」だというのに、どうして私は「大切」を受け入れないのだろう。

私は、この世界にとっての「大切」ではないのでしょうか?

真っ暗な時間になって。
わらわらと蠢く電車に飛び乗って。
傷だらけになった、黒いエナメル質の足先にため息をつく。
ぎゅうぎゅうの彼らは、手に収まる板に夢中で。
電子の海に、自分を投げ続けている。
いついつまで、この日々が続くのか終わらないのか、私には分からない。

ただ、繰り返すことで、感覚器が麻痺したことには気がついている。

車窓から見える。
帰り道を照らすのは。

蜂蜜を垂らした満月
寄り添った木星
青い星を回る人工衛星
名も知らない、過去からの星光

ひとつでも、私だけの「大切」はありますか?

その答えは、最期に目を閉じる瞬間にしか分からないでしょう。
そのときにすら、分からないかもしれないでしょう。
そのような、不確かな希望かもしれないけれど。

でも、諦めなければ-星は見つかる-

スターゲイザー
甘いけれども、どうか私は小さく信じていたいよ。

信じさせて、スターゲイザー。